幼稚園の先生から福祉、そしてシュタイナー教育へ
——まずは、柴田さんがこれまで行われてきた活動や背景についてざっくり教えていただけますか?
私自身、発達が気になるお子さんやご家族に関わる活動を17年続けてきました。
メインは10年間の保育・教育現場、そして7年間の福祉業界での経験になります。
最初は私立幼稚園の担任として社会人のキャリアをスタートしたのですが、
クラスの中で「みんなと同じようにできない子」がどうしても気になってしまって。
「どうすればこの子が過ごしやすくなるだろう」と考えて関わっていたのですが、
当時の園の環境の中では「できない子ばかりに時間を割くわけにはいかない、
できる子はどうするの?」という壁に突き当たりました。
一般的な幼稚園の枠組みの中だけで、個々に寄り添った保育を実践していく難しさを痛感したんです。
そこから個別支援が必要なお子さんに関わる保育へと移り、
特別支援教育士の学びを始めました。
その縁もあって「シュタイナー幼稚園の教師を探している」というお話に出会いました。
最初は「また担任として現場に立つのは…」という思いもあったんです。
でも、シュタイナー教育の現場に触れてみたら、障がいの有無に関係なく、
子どもたちみんなが自然体で過ごせる環境や保育が整っていた。
「これなら私がやりたかった保育ができる」と感じ、そこで7年間、シュタイナー教育の実践に携わりました。
その後は福祉業界へ進み、言葉がなかなか出ない子や、学習・コミュニケーションに難しさを抱えるお子さんと1対1や集団で向き合う個別支援などを経験してきました。

シュタイナー教育が教えてくれた「子どもたちの心の強さ」
——「シュタイナー教育」という言葉は聞いたことがあっても、具体的な内容を知らない方も多いと思います。詳しく教えていただけますか?
シュタイナー教育は、約100年前にルドルフ・シュタイナーが提唱した考え方です。
教育だけでなく、医療や農業など多様な分野に根を張っています。
最大の特徴は、人間の成長を「0〜7歳」「7〜14歳」「14〜21歳」という7年周期で捉える点です。
それぞれの時期で心と身体の成長に必要な「人間の基礎」を順番に育んでいきます。
特に幼児期(0〜7歳)や学童期(7〜14歳)では、机の上の勉強(机上学習)ではなく、
身体や感覚をめいっぱい使って学んでいきます。
例えば数を数えたり掛け算を覚えたりするのにも糸掛けを使ったり、
漢字も単に書き順を覚えるのではなく、形や絵を描くことから理解していく。
人間の体の成り立ちや感覚から自然と学びを染み込ませていくような考え方なんです。
——そういった環境で育った子どもたちを見ていて、どんな変化や気づきがありましたか?
例えば、私がいたシュタイナー園は一軒家のような環境で、真ん中にキッチンがありました。月曜日に酵母を作り、火曜日に寝かせ、水曜日にみんなでパンを捏ねて焼いて給食で食べるような、暮らしと学びが一体となった環境です。
そこで育った子たちが、卒園して一般の小学校へ進むと、周りの子はゲームをやっているけれど自分は持っていない、みんなが知っているアニメを知らない、という状況になります。
でも、その子たちは「持ってないから教えてー!」って平然と言えるんです。
折れない、圧倒的な「心の強さ」やブレない軸を持って成長していく姿を目の当たりにしました。
本当に素晴らしい教育法であり環境だなと実感した一方で、こうした環境に出会える人はすごく限られているという現実もありました。
「この素晴らしい考え方を、もっと広く社会やご家庭に届けるにはどうしたらいいんだろう」と考えたことが、今の活動へ繋がる大きな転機になりました。
ママたちが抱える「答えのない悩み」に寄り添うお話し会
——現在は蛍池enさんなどで、定期的にママ向けのお話し会を開催されているそうですね。具体的にはどのようなことをされているのですか?
今は『ママのためのシュタイナー教育入門』という本をテキストにして、章ごとにテーマを決めて開催しています。
シュタイナーの学びを伝えるだけでなく、それをきっかけに自分自身の気持ちやモヤモヤを書き出したり、整理したりできる場にしています。
「自分自身のこと」「パートナーシップ」「子どもとの向き合い方」「人間関係」など、毎回テーマを変えて開催していて、毎期いろいろなママたちが参加してくださっています。
今後はオンラインでも学べる機会を作っていく予定です。

——参加されるママたちは、どのような悩みを抱えて来られることが多いですか?
お子さんについての悩みはもちろんですが、それ以上に「女性としての自身の選択や生き方」に迷われている方がとても多いです。
女性はどうしても、妊娠・出産・子育てといったライフステージの変化の中で、自分の時間をコントロールしたり調整したりすることを求められがちですよね。
仕事をどうしていくか、自分のキャリアや選択肢をどう確保するか。
そこに正解がないからこそ、ご主人との関係性や「自分の本当の気持ちが伝わらない」という葛藤が生まれてしまう。
「本当は自分はどうしたいんだろう?」という問いに向き合う時間が、日々の忙しさの中で圧倒的に足りていないんです。だからこそ、自分の思いを吐き出し、自分自身と向き合う時間として活用してくださっています。
身体と心の双方を解きほぐす「話す整体」
——お話し会のほかに、西中島で「話す整体」も行われているそうですね。一般的な整体とはどのような点が違うのでしょうか?
不調の原因を探っていくと、単に「肩が凝っている」「腰が痛い」という身体的な問題だけではなく、日常のストレスや家庭での悩み、長年の頑張りの積み重ねが身体に表れていることがほとんどなんです。
だから私のサロンでは、施術をしながらじっくりとお話をお聞きします。
日頃抱え込んでいる悩みや話を吐き出してもらいながら、身体の手入れも同時に行っていく。心と身体の双方をケアすることを大切にしています。


一人で悩みを抱え込むママへ——「小さな感情を大切にしてほしい」
——日々子育てや仕事に追われ、自分を後回しにしがちなママが、まず今日から始められるセルフケアや意識の持ち方はありますか?
まずは「自分を一番に大事にすること」をスタートにしてほしいです。
私たちは案外、自分のことほど分かっていないんですよね。
日常の中でイラッとしたり、悲しくなったりしたときに、
「なんで今イラッとしたのかな?」「なんでこんなに悲しいんだろう?」と一瞬立ち止まってみる。
出てきた感情をひとつひとつ否定せず、大事にしてあげてほしいんです。
自分の気持ちを言葉にしてみるのも良いですし、ノートに感情をそのまま書き出してみるだけでも、すごく頭や心が整理されます。誰かに話すことも含めて、自分の内側にあるものを外に出す(吐き出す)アプローチを試してみてほしいなと思います。

5年後の未来——「頑張らない自分でいられる居場所」を地域に
——今後、地域や社会の中でどのような環境を作っていきたいですか? また「5年後の未来」のイメージを教えてください。
一番作りたいのは、「頑張らない、素の自分のままでいられる居場所」です。
ふらっとお茶を飲みに来たり、ちょっとおしゃべりをしに来たりできる空間。
特別な用事がなくても、そこに来れば誰かとゆるやかにつながれたり、
必要な情報が得られたりするような場所です。
医療や教育、福祉の制度って、困りごとがあったときに
お母さん自身が必死に動いて探さなきゃいけないことが多いんですよね。
相談に行っても「具体的な紹介はできない」と言われて途方に暮れてしまうこともある。
だからこそ、医療や教育の一歩手前にあるような「地域のアジール(避難場所・情報拠点)」を作りたいんです。
5年後は、自宅サロンや一軒家のような空間で、
整体やお話し会を組み合わせたそういう場所を立ち上げて運営していたいですね。
そして私一人に依存するのではなく、他の人も関わって循環していける仕組みにしていきたいと思っています。

最後に:孤立や悩みを抱えているママへのメッセージ
——最後に、一人で悩みや孤独を抱えているママたちへ、一番伝えたいメッセージをお願いします。
どんな感情を抱いても、「その感情を抱いて大丈夫だよ」と伝えたいです。
自分の気持ちを隠さなくてもいいし、怒ってもいい、泣いてもいい。「こんなこと思っちゃダメ」「こんな自分はダメだ」って責めないでほしいんです。
どんなドロドロした感情も、まずは「そう思ってるんだね」って、自分自身で丸ごと受け止めてあげてくださいね。
気になる方はこちら👇
新しい情報は、Instagramやホームページでご確認ください。
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね♪
お話し会・セミナー
整体
